コレクション数は270万とも300万ともいわれていて、美術館の部屋数は2,000室。ネズミ対策に飼われている猫は50匹という世界有数の巨大な美術館であるエルミタージュ美術館へ行ってきた。パリのルーブル美術館、ニューヨークのメトロポリタン美術館、マドリードのプラド美術館とともに世界三大美術館(エルミタージュとプラドはどちらかが入る)を担っていて、世界遺産にも登録されている。
サンクトペテルブルクの中心部にあり、もともとはロシア貴族のエカテリーナ2世の個人的なコレクションから始まっている美術館。エルミタージュとは離宮といった意味合いらしいのだが、これが離宮ってどういうことなのだと思う。もともとが宮殿のようなものだったので建物自体が芸術作品として見ごたえがある。フランス貴族文化に影響を受けているということだが、フランスのどの宮殿よりも豪華だと思う。自分がどこにいるのか迷うこともあり、結局5-6時間いた気がするのだが途中で「もうこのままここから出られないんじゃないか」って不安になるくらい真剣に迷うことが数回あった。
チケットはオンラインで買っておいた方が高いけれども並ぶ列は少なく、スムーズに入ることができる。ただし、オンラインチケットの入口は横からなので、いわゆる正面玄関まで一度回り込んでから見始めた方がいいかもしれない。僕はこれをやらなかったので、同じところを何度もみるとか効率が悪かった気がする。この金色の時計・・前もみたな。。とか。音声ガイドとそこについてくる館内地図はかなり便利なので借りておいた方がいいと思う。
あまりにも巨大な美術館なので、効率的にみたいと思いつつもその計画も崩れるくらいに広くて混乱している。コレクションはエジプト時代から現代アートまで、日本の古い絵画もあり歌川国芳の描いた猫の絵もあり、それが「鞠子」というキャラクターになってお土産物店にならんでいたりする(あとから知ったのだが鞠子とは猫の名前ではなく、もとは絵の描かれた地名とのこと・・)。
必見のコレクションは多すぎるのだが、僕としては確実に観ておきたいのは世界に十数点しかないレオナルド・ダ・ヴィンチの絵画が2点も展示されているということだ。ダ・ヴィンチの描いた「ブノアの聖母」は1478年に描かれたとのことだが、それって日本だと応仁の乱が終わったくらい。はるか昔といまの僕が絵画を通してつながっているのはとても不思議な気がする。「リッタの聖母」も同様の時期に作られているのだが、この聖母に抱かれている幼児キリストの冷めた目や窓の向こう側に遠近法で描かれた山並みとか、500年のときを経ても生々しい感覚があってすごいことだと思う。
肖像画だけかけられた部屋だとか、やたらと豪華な部屋。むかしの日本のアートのコレクションなど見どころは多すぎるくらいで1日で観ようとした僕がまちがっていたのかもしれない。一週間くらいかけてみても飽きることはないコレクション数だとは思う。今回、ロシアまで旅しに来てよかったなと思える体験だった。アートのもつ力を心から感じた気がする。
エルミタージュ美術館(Государственный Эрмитаж)
住所:Palace Square, 2, St Petersburg, ロシア 190000
時間:10:30 – 18:00(水・金は21:00)
休み:不定休
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