東京から20キロくらい離れた郊外の住宅地である総武線の本八幡駅近くにあって、旅行で来ることもあまりない立地なのだが、全国各地にある一茶庵直系の蕎麦屋で、蕎麦職人が集っている禅味会グループの中心的な存在でもある有名店。僕の蕎麦基準では、ここの市川一茶庵の蕎麦が基準になっている。
ということで、久々に近くまで来たので行ってみた。場所は本八幡駅のすぐ近くで、こんなところに・・と思うような路地の奥にある古民家な外観の店舗。玄関入ってすぐのところに置かれている黒電話が懐かしい。店内は古民家な感じでふるい商家ような作りになっていて、すべて座敷席。昔ながらの蕎麦屋らしい風情を味わうことができる。
蕎麦は細打ちの「おせいろ」と太打ちの「深山(田舎)」の2種類から選べて、ふたつを同時に楽しめる二色盛りというものもある。今回は都会派ともいえるような細打ちのおせいろと天ぷらを選んでみる。
蕎麦以外にも酒の肴になりそうなメニューのラインナップが揃っているのだが、いかんせん営業時間が20:00までとはやいので、お酒を飲む場合には結構忙しい。今回はランチだったのとあまりに暑かったのでビールだけを頼んだ。日本酒と蕎麦というのはもっと涼しくなってからかな・・。
蕎麦も蕎麦つゆも甘みがない鰹節ベースのごく普通のものなのだが、奇をてらわずにこうした普通のものを普通においしく出せるっていうのが、このお店のすごいところじゃないかと思っている。普通の蕎麦なんだけど、つるっとした喉ごしも普通なんだけど、簡単そうでいてまねできないつゆの風味も後で思い出しても「うまい・・」と思ってリピートしちゃう感じ。
店員さんもすごく感じがよくて好印象をもてる、とても気配りの効いたいい店だと思う。こういう店がごく普通の住宅地にあるのだから千葉って侮れないんだよな。蕎麦好きとしては、多少は遠くとも一度は訪れておいて損はない名店だと思う。
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