シタディンに荷物をおいてバスで向かったのは一澤帆布。一時期は信三郎帆布という名前ですぐ近くに店舗があったりしたこともあるが、いまではもとの場所に戻っている。
昔は本当にシンプルな品揃えで分厚い生地で無骨な帆布バッグばかりだったのだが、信三郎帆布を経ての一澤はラインナップに幅がでてきて、僕はこういうのもすごく好き。
いま普段使いに愛用しているバックパックも、ノートパソコンが入ってまだ容量もあるし、一見ちょっと細そうにみえる肩ひもも全然苦痛じゃなく背負っていることができるのはバランスがいいからなんだろうな。
昔と比べるとちょっと生地が薄くなったかなあと思うところはあるけれど、早めに持ち込めば修理もできるし(しかし、買った方がいいくらいに修理代高いのはやめて欲しい)、大事に使っていられるのは思い出と一緒に過ごしているみたいで、あたたかい気持ちになる。
ところで、今回一澤帆布から八坂神社の方に行ったあたりに㐂一澤帆布というお店をみつけたので入ってみた。一澤帆布からは徒歩で5分くらい。昔の一澤帆布にそっくりで、無骨でシンプルな商品ラインナップ。悪くはないのだけれど、どうもこう購買意欲まで盛り上がらないなあと思って、買わずに出てしまった。
あとで調べたところ、ここもまた一澤帆布の系列で、お家騒動のタイミングでわかれたところみたい。昔ながらのやり方でバッグを作っていて、ある意味タグは違えど㐂一澤帆布の方が正当派っていう気もするくらい。
でも、どっちの商品が欲しいかっていうと、それは一澤帆布なんだよな。
どちらもすごく「いい商品」を職人の技で作っているし、それは変わりがないのだが「いいものを作れば売れる」という「いいもの」に対する考え方が、㐂一澤帆布の方は古き良き自分の作りたいものっていうようにみえて、一澤帆布は世の中のニーズに応えられるものが「いいもの」であるっていうようにみえる。
そして、伝統とか「いいもの」というのは常に変わっていくというか、有次京都の人の話じゃないけれどらせん状に積み上がっていくものだと思うから、やはり一澤帆布の方がいいなと思える。
あくまでも僕の個人的な意見だけれど、変化していくことは悪いことじゃないよなっていうのが一澤帆布に対する僕のスタンス。今回もあれこれ買ってしまった。
一澤帆布
住所:京都市東山区東大路通古門前北
時間:9:00-18:00
休み:火曜日
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