以前よりシェムリアップへ訪れているのだが、すごい不思議に思っていることがある。
これだけ急激に人口が増えてきて、観光客も激増している。そして、僕もふくめてやたらと浪費をしている。そんな場所でありながら、この街のゴミはいったいどこでどうやって処理されているのだろうか? 考えるほどに疑問がふくらむ問題。
幸いにしてシェムリアップは、こちらに住んでいる友人もいることだしこの件に関して調べてみることができた。そして、実際にこの目で見てみようということで行ってきた。
現状、シェムリアップのゴミは民間業者が一社独占しており、個人か法人かという違いがあるものの、月額固定費で有料でやっているとのこと。ゴミの分別といったことはされておらずただ捨てればいいみたい。そして、ゴミ焼却場といった処理施設はなくて、シェムリアップ郊外に掘った穴へそのままゴミを投げ込んでいる。
ということで、まさにゴミ山というものがシェムリアップ郊外にはいくつかあるみたい。僕が行ったのはシェムリアップから30分ほどのところ。国道6号線を東に25キロ行ったあたりで、プリアコー遺跡のちょっと先の国道から少し入ったごく普通の村に突然大きな穴があいてその横にゴミ山が出来ていた。
ゴミ山の近くには村があって、どうやらリサイクル的に分別している人がいるみたいだが、ものすごい匂いで倒れそうになる。
そして、ちょっと埃みたいに大量の蠅が飛び交っていて身体にぶつかる感触がなんとも気持ち悪い。
こんなところで暮らすなんて・・と思ってしまうが、どうやら普通に近所の学校に通っている子がいたり、物売りがやってきたりしている普通の村のようだ。お金をもらって暮らしているといっていたから職業的なゴミ山の管理者的な村なのかも。
それにしても、なにより驚くのはゴミ山の立地。
普通の田園風景のなかで視線を動かすと突如として地獄があらわれたかのようで、のどかな風景のとのコントラストに愕然とする。
そして、ゴミ山の廃液が村の水路に流されていて、真っ黒な水が畑の方へ流れているのをみて、これはもうどうにもならない・・と自分の無力感を感じる。ここに住んでいるクメール人にゴミ山の危険性や廃液の有毒性について話をしても、彼らもどうにもできずに不安を煽るだけだろうし、根本的な解決は政治の問題なんだろうなと思う。
これだけ土地取引や雇用の創出がされているということは、このスタイルを変えたくない人たちの権力があるのだろうな。ぼくらの国はカンボジアに学校作ったり、いろいろと支援をしているけれど、もうそろそろカンボジアの人たちがいかに健康で幸せに暮らすことができるのかって考えて行動するときなのかもしれない。
いますぐ状況を変えることは難しいとしても、こういうことが起きているというのを知ることができたのは貴重な体験だった。
なお、このエリアは治安は悪くないが、ゴミ山の関係者になにされるかわからないので、個人で行かずスタディツアーやクメール語ができる人と複数人で行くことをおすすめします。
ゴミ山の場所:Sot Nikum
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