池波正太郎のエッセイにもたびたび出てきていて気になっていた池之端の藪蕎麦に行ってきた。
週末のランチに行ったのだが、混み合っているものの回転がはやいので並ぶまではいかない状況。
場所は上野から湯島に抜けるところなのだが、まわりは風俗街でちょっと夜は歩きたくないなという感じではある。まあ、こういう禍々しいところが上野のよさでもあるとは思うけれど。
店内は外の喧噪とはちがって静か。店員さんもてきぱきしている。
頼んでみたのは、鴨南ばん蕎麦と、天ぬきというもの。天ぬきってなんだろうと思っていたのだが、海老のかき揚げをだしに浮かせたもので、かき揚げ蕎麦から蕎麦だけ抜いたものということらしい。
で、この天ぬきがあっさりしていて美味い。蕎麦まで食べるにはちょっとおもいけれど、だしとかき揚げは楽しみたいな・・というわがままを叶えてくれる一品だと思う。ぜひ頼んでみるべし。
もう一つの鴨南ばんも焼き葱と共に煮込まれていて、もう身体があたたまってうまい。蕎麦自体はよく言えばクセがない、悪くいえば印象が薄いものではあるけれど、この鴨南ばんに対しては、鴨のよさを引き出すためにも蕎麦の主張が薄いのがいいなって思う。
しかしまあ、なにより一番いいのは藪蕎麦という老舗の蕎麦屋が続いていて、自分もそこで蕎麦を楽しむということが、歴史に関わっているような気分になってわくわくするということだ。
【2017年2月追記】2016年時点で閉店をしたとのこと。1954年からの長きにわたり名店だったお店だっただけに残念。。
池の端藪蕎麦
住所:東京都文京区湯島3-44-7 堀田ビル
時間:[月~土]11:30~14:00(L.O)、16:30~20:00(L.O) [日・祝]11:30~20:00(L.O)
休み:水曜日
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