バガンに来ると、朝陽と夕陽をどこでみようかというのは悩ましい問題である。で、夕陽のポイントとして僕がすごいよかったのはこの船旅で船から眺める夕陽の風景。
別に船からみたって・・と思ったのだが、これがすごいきれいでのんびりしてしまった。
エーヤワディー川(イラワジ川)のサンセットクルーズ船の発着はオールドバガンにあるたまねぎみたいなオブジェがあるブーパヤー寺院のあたりで、寺院前に行くと「船、乗らね?」みたいに客引きがやってくるので交渉するといいかと思う。
ちなみに、僕は1,200チャット(120円)で乗ることができた。客引きは1時間いくらみたいな言い方をするのだが、だいたいは60~90分くらい乗ることになるのだと思う。
これで、船一艘貸し切りだし、すごい安い!てか、大丈夫だろうかとか思ったのだが全然問題なかったし、乗ってみて安い理由がわかった。
船はまず15分くらいかけてエーヤワディー川をニャウンウーの方にむけて遡っていく。太陽の光をあびているバガンの方は仏塔がみえたり、家から夕食の準備をする煙がみえたりして長閑とした風景。
対岸の方はといえば、ちょっと高台になっていることもあるのだが、まったく人家もなにもみえない。どうも、だいぶ奥の方までいかないと村とかないみたいだ。何年か前に行ったバラナシでのガンジス川の風景みたい。川の砂州の反対側はまったく生活の気配がない。
太陽はそんな広大な風景のなかでちょっとずつ傾いてきている。
で、ほどよき頃になると船はエンジンをとめてしまう。そして、川の流れのままに少しずつ下っていくのだが、これが気持ちがいい。エンジン音がないので静かな流れにどっぷりと囲まれていて、川面を吹き抜ける風も涼しくて気持ちがいい。
出発前にレストランでビール買っていたので、ビールを飲みながら遠くを行き交う船やちょっとずつ色の変わっていく空の色を眺めたりしている。この間の記憶があまりないんだが、たぶんなにも考えてなかったんだろうな。そんな風にさせる風景。だんだんと少し眠くなってしまうのはビールのせいだけじゃないはず。
船頭さんはすっかり昼寝してしまっていて、この船どこに行くんだろう・・とか思っていたのだが、60分ちょっとで出発地点のすぐそばまで戻ってくるというのがすごい。あんま考えなさそうに船を動かしているようにみえて、じつは慎重に川の流れの向きとかまで考えているのだろうか。
120円のささやかなサンセットクルーズなのだが、ここでしか味わうことができない貴重なものだと思う。
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