今回の旅でミャンマーに来てみたのは、朝もやのバガンの寺院群の上を飛んでいく気球をみて、それに乗ることができるのを知ったから。
現地の旅行会社を通じてBalloons over Baganに予約をいれてバガンへと向かったのだが、いろいろなことがあり、結局はちがうバルーン会社の気球に乗ることになった。
このときの経験からバガンでバルーンにのる場合の情報を書いておこうと思う。
毎年、乾期である11月~2月くらいがシーズンとなっているとのこと。バルーンの離着陸を畑でやっているので、おそらく畑に作物を作っていない時期というのも関係していると思う。フライトがはじまる時間は午前6時前後で、だいたい45分くらいのフライトになる。
着陸後はバルーンで飛びました!っていう証明書をもらって、シャンパンでお祝い。
2014年2月時点においてバガンで観光客用の気球を飛ばしている会社は、Balloons over BaganとOriental Ballooningの2社となる。この2社はそれぞれの気球の色から前者をレッドチーム、後者をグリーンチームとも呼ばれている。
老舗の会社はBalloons over Baganでフライト時にとぶ気球の数も2桁以上ある。Oriental Ballooning が2月の時点でちょうどフライトがのべ1,000時間を達成したお祝いをしていたので、まだまだ新興の会社。サービス内容にはどちらも差がなく、どちらもかなりしっかりとした安全対策をしているし、バルーンのフライト技術も高い。料金面での違いもない。
ということで、どちらを選ぶかというのは好みの問題と予約のとれやすさではないかと思う。オフィスはBalloons over Baganはニャウンウーの町中にあり、Oriental Ballooningはニューバガンにある。
バルーンフライトの予約はそれぞれの会社のウェブサイトから申し込んだり、オフィスで直接予約することもできるが、Balloons over Baganはかなり有名なこともあり、直前だと乗れないこともあるので、事前に予約しておくのをおすすめする。僕が行ったときは、フライトキャンセルになってしまったため、翌日はキャンセル待ちが100人以上いるとのことだった。
Oriental Ballooningの方はまだそこまででもないが、予約しておくことに越したことはないと思う。
旅行会社を通じて予約すると、30ドルくらい安く予約ができるのだが、これは一長一短があり、フライトキャンセルの返金が旅行会社経由になってしまうため、なにかあったときの対応がかなり面倒なことになる。
ちなみに、フライトキャンセルの可能性はあまりないとのことだったが、僕は一度キャンセルになっているので、日程にはちょっと余裕をもたせておいた方がいいかも。Balloons over Baganの方がより慎重な運行をしている印象をうける。
僕はまずはこちらを予約していたのだが、結果としては当日にバルーンを膨らますところまでいったのに、強風のためフライトキャンセルになってしまった。佐賀のバルーンフェスのときもそうだが、気球にご縁がない(翌日、なんとか乗れたのだが)。
集合場所に現れる古めかしいボンネットバスや、フライト前の軽食のふるまいなどはこちらの方がブランドとして洗練されていて高級感がある。
ただ、実際のバルーンの大きさや設備に関しては、もうひとつのOriental Ballooning とは差がない。
後発の会社で僕が乗ったときには三機しかなかった。ちょうどフライト1,000時間を達成したところで、お祝いしていたのが印象的。お迎えの車は普通のワゴンで、バルーンを運ぶのはトラクターという普通の感じだが、スタッフはきびきびしていてフレンドリーで、レッドチームよりも親近感もてる。
僕は前日のフライトがキャンセルになったため、なんとかこちらのオフィスまでいって予約を取ることができたのだが、ラッキーだっと思う。ちなみに、値段はラグジュアリーコースでひとり360ドル。ひとつのバルーンに4組しか乗らないのでスペースに余裕があってよかった。
朝の5時半くらいにホテルまでお迎えがきて、パイロットの挨拶と出発前のブリーフィングを行うところは昨日のレッドチームと同じ。とてもしっかりしていて安心感がもてる。
そして、フライトが離陸したのは6時過ぎ。45分のフライトは昨日とちがって、じつにあっさりと飛び立った。
まだ、夜があける直前の朝もやのなかふわりと音もなく上がっていく気球は本当にこれが現実なのか?と不思議な感じ。
横をみるとレッドチームも今日はフライトができているみたいで、ひとつひとつ順番に地面から空に生まれるみたいに浮かんできている。
やがて、気球は低い高度のまま住宅街をぬけて、エーヤワディー(イラワジ)川からつくられたばかりの朝もやの上をかすめるようにオールドバガンの寺院群へ。徐々に東の空から太陽があがってくる気配を感じる。
バルーンは定期的に向きを変えながら移動していて、みんなが太陽の方をみられるようにしてくれている。気球ってかなりシンプルな構造なのにこんなことができる技術がすごいよな。
ちょうど寺院の仏塔で夜明けを迎えようとしている人たちがみえてきて挨拶をかわす。今回は仏塔では夕暮れしかみることがなかったが、夜明けの風景もきれいだろうなと思う。
やがて寺院群をぬけて畑が目立つエリアに入ってくると地上と無線で交信をはじめて、着陸地点の相談をはじめている。太陽はすっかりのぼってきていてバガンを明るく照らしはじめている。
そして電線のない畑の土地に着陸。ほとんど震動もなく着陸してきたのはさすが。そして、もっと驚くのはすかさずやって来る物売りの女の子たち。「コレ、カワイイヨ」とかやっているし、あまり強気の値切りをすると「バカジャナイ?」とか突っ込まれてしまうのがまた面白い(向こうは結構真剣なのだが)。
しかし、こんなところでロンジーとか誰が買うんだよとか思っていたのだが、なんと同行者が買っていた・・持って帰るの面倒だろうに。
バルーンといえば、エジプトで起きた事故の件もあるし、不安もあるかと思う。僕もネットで情報きいたら「海外で事故が起きても自己責任で」とかいう反応されたものな。しかし、僕としてはバルーンに乗れてよかったなと思うし、こんな体験はここでしかできないことだと思う。
この寺院群が世界遺産に登録とかされちゃったらまたいろいろと大変なしがらみもあるだろうから、飛べるうちに乗っておくというのもおすすめしたい。
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