普段の生活のなかにある風景も視点の角度を加えると違った世界になるのかも。ものが出来る過程やそこにこめられた目に見えない概念みたいなものを理解してみると、何気ない風景がまた違ったものに感じられる。
そんなことを考えて行ってみたのは山手線の新しい駅である高輪ゲートウェイ駅。ひどい名前つけたなとか思ったけれど、慣れてしまうとそんなもんかなとも思える。ここは隈研吾が手がけた建物で、自然と都会の融合という隈研吾がもっているテーマを感じる。
木造駅の屋根を組み合わせたかのような屋根は随分と高いところにあってその下には駅の空間が広がっているのだが、JRの駅でこんな贅沢な空間のとりかたって見たことがない。日本の駅じゃないみたいだ。屋根を支えているのは鉄骨と木材の梁。昼間に来るとこれは天幕のように太陽の光が差し込むみたいで、それはそれできれいそうだ。
この時期、夜の早い時間から人は少なくて、駅前になにもないここで乗り降りする人も少なく、この開放的な空間を思う存分楽しめた。駅の構成はシンプルなものなので、駅構内が一望できてこの空間の下を通る電車が近未来の乗り物のようにみえる。
僕は建築の専門でもなければ、まあちょっと興味があるっていうくらいなので、探訪なんてものじゃなくて浅い訪問と限られた語彙と感性しか持ち合わせていないけれど、都会のなかにこんな風に効率化を追求しつつ共感できるテーマをもった空間がもっとできると楽しい街になるんだろうなって思うわけです。
高輪ゲートウェイ駅
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