台湾版「海の見える駅」な多良駅に行ってきた。

行きに高雄から台東へ向かっているときにも見えた太平洋に面した絶景の路線、ここに駅があるというのは知っていた。多良駅という場所なのだが、基本的には廃止されていて、年に数回あるかどうかという観光列車だけが不定期にとまる観光駅という扱いになっている。このため、列車でのアクセスができずめちゃくちゃ行きづらい。

鉄道と並行してバス路線が台東からあるみたいで調べてみたが本数が少なく、特急がとまる太麻里駅からも10キロくらいは離れている。タクシーがあるかどうかも分からなさそうな小さな駅だしなあと考えていたのだが、結局は台東からタクシーをチャーターして行ってみることにした。

この上にあるのが多良駅ですか・・そうですか。
居住者以外の車の進入が禁止されているみたいで歩いてあがります。
駅は廃止されていることもあり入ることはできなさそう。それにしてもホームの幅がせまい。。

台東から多良までは40キロくらい離れていて車でも1時間くらいかかる。旧台東駅の近くにタクシー会社をみつけたので、事務所まで行ってみて事務所の前でたむろしていたおっちゃんに筆談で交渉。「台東から多良駅まで行ってそこで俺は列車を見る、帰りは太麻里駅まで送ってくれ。朝イチに出て午前中で終わる仕事になるはず」という内容だったのだが「あんなとこまでタクシーで行くの!結構高いよ」といわれつつも、5000円くらいだったような気がする。たしかに、こっちのタクシーにしては高いけれどまあそんなもんかなって感じだったので合意。翌朝、タクシー会社に行ったら事務所の前で昨日交渉したおっちゃんが社内清掃して待っていてくれた。

台東を出発して左側にはひたすら太平洋がみえる。道路は鉄道よりも低いところを通っているので、より近くに海を眺めることができる。しかし、この道路は幹線道路だと思うがところどころ突然道幅が狭くなったりしている。レンタカーというのも一瞬考えたのだが運転しなくてよかった。

展望台もある
10月だけど照りつける太陽は夏だ。
ここから見るとすごい場所に駅作ったんだなって思う。
線路の先、なにもない。

なんの変哲もない海岸線の路肩に車をとめてくれて、ここから先は車が入れないので上がっていってくれということ。念のため携帯番号の連絡先を交換しておいて坂道をあがっていく。このあたりは海から急激に山がせり出してきていて、集落は山の上にあるみたいだ。駅はそんな山の斜面にあるのだがものすごく心許ない感じ。よくこんなところに駅をつくったな。

駅のホームには入ることができなかったが、すぐ横には展望台が作られていて、ポスターには列車の予想通過時刻が掲示されている。周囲の駅から離れているので、これは便利だ。

ということで、海の見える駅である多良駅。列車から眺めていても美しい風景だなあって思うが、実際にこの場所に立ってみてのんびりと眺めるとではまた違った感覚がある。潮の流れが速すぎて海水浴には適さない海らしいのだが、それもあって人が全然いない絶景のビーチってなんだか不思議な感じがしてしまう。眼下に走る車の音がたまに聞こえてくるくらいで静かな場所だなあ。

しばらく待っていたら特急列車がやってきた。
いつもは乗っている列車を外から眺めることがあるとは。
そして台東に向けて去って行った。
堤防があって砂浜には降りることができなさそうだった

列車が近づく時間になると、ぱらぱらと少し人が来るけれどそれでもまあそんな多くはない。高雄からやってくるトンネル内にひびく列車は音だけ先に聞こえてきて、あっと思ったら一瞬で通りすぎてしまう。これは、ここまで来てよかったな。

海の見える駅といっても日本でみている風景とはまた全然違うよさがあって、美しい場所だったな。数年後には電化されるとのことで随分風景変わってしまうのかもしれないが、また訪れたい場所です。

臺鐵多良観光車站
住所:963台東縣太麻里鄉瀧溪路8-1號
時間:9時00分~17時00分
休み:不定休


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