モスクワの地下宮殿、美しき地下鉄駅を堪能する。

1935年開業の歴史あるモスクワの地下鉄。地下鉄の乗り方については別途「モスクワの地下鉄の乗り方について」で書いたのだが、旧ソ連時代に作られた設備は古めかしいものの豪華であり、いまでは地下鉄そのものに見どころがあり、訪れる価値がある。

モスクワ地下鉄は最近まで写真撮影が禁止されてきたのだが、2018年のロシア・ワールドカップのタイミングで写真撮影が解禁されて、フォトスポットなどもできていた。まさに地下宮殿という呼び方がぴったりくる駅は、それぞれに特徴があるのだがなかでも必見なのは5号線と3号線のキエフスカヤ駅(Киевская)、そして2号線のマヤコフスカヤ駅(Маяковская))だと思う。

キエフスカヤ駅(Kievskaya/Киевская)

ウクライナのキエフ行き長距離鉄道のキエフスキー駅と接続しているターミナル駅。駅のデザインはウクライナのコンテストで選ばれたもので大理石張りの壁面にはウクライナとロシアの連帯が描かれていたり、プーシキンやレーニンの肖像画も描かれていて美術館のようだ。5号線のホームの端にはレーニンの巨大な肖像画もありソビエト時代の名残がうかがえる。フォトスポットがあってそこから写真を撮ると美しく撮れるので是非探してみてほしい。

キエフスカヤ駅
フォトスポットが用意されている
あちこちに絵が飾ってあり美術館のようだ
だいたい社会主義革命に関するものだが
ホームの端にも巨大な壁画がある
この駅の美しさは必見です。

マヤコフスカヤ駅(Mayakovskaya/Маяковская)

1938年開業、地下鉄2号線の駅でアール・デコ様式の駅舎は1939年に開催されたニューヨーク万博で実物大の駅構内が再現されて話題になったらしい。第二次世界大戦のときには防空シェルターとなりスターリンがここに居住して演説をしたこともあるみたいだ。

駅名はソビエト時代に活躍した詩人であるウラジミール・マヤコフスキーからとられていて彼の詩の世界を再現した「24 Hours in the Land of the Soviets」を描いた天井画は必見。円い天井の形やホームを照らす灯りも含めて優雅な雰囲気の駅になっている。

アールデコ建築が美しい
第二次世界大戦のときには防空壕になっていたとのこと
どこを切りとっても絵になる駅だ
天井にはウラジミール・マヤコフスキーからとられていて彼の詩の世界を再現した「24 Hours in the Land of the Soviets」が描かれている
日本の桜っぽいなと思いつつも爆撃機の影
スポーツって昔から国の威信に使われてしまっていたのだなって思う

社会主義というと堅苦しいイメージしかないのだが、この世界が生み出した芸術は本当に優雅で贅沢なものだなあって思う。そういえばサッカーの話しになってしまうけれど、旧ユーゴスラビアや旧東ドイツなど社会主義国のサッカーは攻撃的で創造性にあふれた美しいフットボールをしていたなあって思う。なにかこう相通じるものを感じた。

そして、モスクワの地下鉄は路線距離が300キロを超えていて東京と同じくらいの規模があるネットワークになっている。だいたいのところは地下鉄で行くことができるし、地下鉄の治安もよく、本数も多いのでぜひ活用したい。

地下鉄の乗り方など「モスクワの地下鉄の乗り方について」はこちら。


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