コパカバーナの裏通りのさらにその奥には、袋小路みたいな小さな路地裏がある。
Beco das Garrafas(ベコ・ダス・ガハーファス)と呼ばれているその一角は「酒瓶だらけの路地」という意味。しかし、このしょぼい路地が世界的に有名であり、1960年代には後にボサノヴァを作り出す人たちが集まっていた。
その路地のなかにあるバーでは、いまでも毎晩ボサノヴァのライブをやっていて、行ってみることにした。Beco das Garrafasの路地まで着いたのだけど、人通りもないような路地でこんなところ行って大丈夫なのかよって思ったのだが行ってみると確かにバーがある。
しかし、扉がどこにあるのか分からず迷っていたら、路上でお酒飲んでいたおじさん(まさに酒瓶だらけの路地)が「ボッサノーヴァ?なら、ここだぜ」という感じで通用口みたいなドアをあけてくれた。いきなり出てきてちょっと怖かったが優しい。
店内はごくごく小さなバーでステージには3人くらいしか立てなさそう。
こういう小さなところからボサノヴァの音楽が産まれてきたのかあって感慨深い。とりあえずビールを飲みながらバーテンの子と「日本から来たの?そりゃずいぶん遠いねえ」みたいな話をしていたところ。
今日はもう遅いからライブ終わっちゃったんだけど、隣ではリハーサルみたいにやってるよと教えてもらい、隣のお店に案内される。
そこは、同じくらい小さなバーというか日本でいうとスナックみたいな場所で、ちょっと怪しげな感じ。そして、たしかにみんな楽器をもってリハーサルみたいなことやっているのだが、ステージに立ってなくて思い思いに楽器ならしたり歌ったり。なんかすごい不思議な空間だ。そして、壁には手書きの楽譜があったりしたのだが誰の作品だったのだろう。深夜ということもあり、なんだか変に楽しくなってくる。
翌日の夜に改めてちゃんとライブを聴きに行ったら、昨日演奏していた人たちがスタッフとして働いていた。デビュー前の練習みたいな感じだったのかもしれないな。
ライブはAmanda Bravoと、Liz Rosaの二組。
どちらも初めて聴くのだけど、Amandaとギタリストのシンプルなセットはすごくリラックスしていて、音楽をすごく楽しんでいる雰囲気を共有している感じがした。ボサノヴァの定番の曲をやってくれるのでわかりやすいと思う。
そして、メインのLiz Rosaは圧倒的。スタイルのよさにもびっくりだけど、静かな曲からアレンジをきかせて歌い上げる曲まで変幻自在。すごい女の子だなって思ってホテルに戻り検索をしたらAmazonで楽曲をダウンロード販売していた。
旅先で出会う音楽って、たとえばライブで少し聴いてCD買おうか迷っていたけど、買わなかったらもう二度と会えなくなるような感じだったのに、いまではこういう風にサイトでさらに詳しく知ることができたり、いつでも曲を聴くことができる。
旅と音楽の関係性もすごく変わってきていて、僕はこういう変化はすごくうれしくて楽しいことだなって感じている。
この日の夜も24時過ぎても熱狂冷めず。すごく充実した夜を過ごすことができた。リオデジャネイロはナイトライフが本当に楽しい街だと思う。
Beco das Garrafas
住所:R. Duvivier, 37 – Copacabana, Rio de Janeiro
時間:18:00 – 深夜
休み:日、月
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