普快車に乗って枋寮から台東までのんびりローカル線の列車旅。

※この列車は2020年12月23日をもって運行が終了となっております。もう一度乗ってみたいと思っていただけに残念。

今回の旅では台東まで行ってみることにしたのだが、途中の枋寮で降りたのはこの普快車に乗ってみたかったから。普快車とはディーゼル機関車にひかれた普通列車のことらしいのだが、台湾で残る普快車はもはやこの枋寮と台東の間を走る路線のみとなっている(それも2020年末で終了した)。

僕が乗った2018年時点でも路線の電化工事や駅舎の改修が行われていたので、いつかこの列車も廃止されるのだろうなとは思っていたけれど、一部の旅行者に人気がある路線だっただけに本当に残念だ。

枋寮駅にて
こちらが座席。せまい。
味わいある車両
空調はもちろん扇風機

普快車は枋寮を10:55に出て台東につくのは13:21と2時間半近くの旅となる。各駅停車なので、途中の駅で特急の通過待ちをしたり、山の中の信号所で行き違いの待ち合わせをしたりとのんびりしている。車両は古いインド製と日本製の客車がついていて、当然のことながら冷房はなくて扇風機のみ。トイレはついていて、どんなものかと恐る恐る入ってみたのだがわりときれいで拍子抜けした。水まわりは改善されているみたい。

枋寮から台東までは進行方向の右手にずっと海が広がるので右手の座席を確保する。しかし、出発のときにいきなりバックで進もうとして一瞬乗客がざわめくという事態があった。枋寮駅に入ってくるときバックで入ってきたのでギアをそのままにしていたんだな、きっと。

さて、出発しました
しばらくすると海が見えてくる
ジオラマみたいだ

そんなこんなで、枋寮駅を出てしばらくすると列車はぐんぐんと山のへりをつたうように高度をあげていき、そして右手に海が見えてくる。列車の走っている高度が高いこともあり、ジオラマみたいな感じがするな。それにしても海の色が南国って感じで美しい。

列車は時速80キロくらいまで出てるみたいで結構早い。窓は開け放していて入ってくる風が気持ちいいなあ。空調が管理された列車は快適に移動できるけれど、窓をあけて外の風景を眺められる列車はもうそんなに残っていないので、もはや贅沢な体験だなって思う。

山の中の信号所で対向列車の待ち合わせ
長いトンネルをぬけるとふたたび海が見えてきた

そして列車は山の中に入って行く。途中のトンネルでは車内で会話するのも不可能なほどの轟音。それにしてもトンネルの中の空気って涼しいというか寒いくらいだ。誰もいなさそうな山の中の信号所で待ち合わせの停車をする。停車中は車内の電気も消えていて薄暗いのだが、それもまた味わい深いというか旅の思い出だなあ。

長いトンネルを抜けると大きな川を越えて、その先に海が見えてくる。この海の色がいままでみた海の風景でもトップクラスに美しい。乗客の大部分はこの海の見える手前の大武駅で降りていったけれど(団体ツアーだったのかな)、ちょっともったいなって思う。

大武駅から台東まではひたすら絶景
風が気持ちいい
車両の後ろから外を眺める
のんびりした車内
それにしても、海がめちゃくちゃきれいだ
ひたすらに海を眺めていたけれど飽きることがない
南国の風景って感じだなあ・・。

ここから台東までの間はほぼ太平洋に沿って列車がすすんでいく。列車はスピードをあげてすすんでいくので風が気持ちいい。外はまさに南国でひたすら絶景が続く。そうだよな、このあたりは石垣島より南にあるから海の色が南国なのは当然か。しかし、こんなに美しいビーチなのにあまり人がいないのは何故だろう。海水浴に適していないのかな。たとえば近海にサメが出てくるとか。

そんなこんな考えたりしていると、外の暑さと入ってくる風が気持ちよくて眠くなってくる。まわりも似たような感じで静かな車内は各駅にのんびりと停まりながら進んでいく。こんな風景、もう日本では味わえないのだろうなあと思っていたのだが、台湾でもできなくなったのかとちょっと寂しくもある。

ずっと海を眺めて、そして海から少し離れて内陸に入ってきたら台東へ到着。列車の旅をしていて名残惜しいって思ったのはなかなかないのだが、この普快車の旅は思い出に残るものだった。


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