モスクワに来たならば一度はみておきたかったのはボリショイ劇場での観劇。6月は観劇するにはオフシーズンで(メインは寒い冬なのです)、結構限定的な上演スケジュールになっていた。チケットについては事前にボリショイ劇場のサイトからオンラインで購入しておいた。
公式サイトのオンライン予約では座席指定までできるのが便利なのだが、いい席から埋まっていくので気合いいれて観に行く方は旅の初期段階から予約をしておいた方がいいと思う。
ボリショイ劇場はオペラとバレエのどちらも世界最高峰のレベルなのだが、今回みたのはボリショイ・バレエ団の「アンナ・カレーニナ」をみてきた。アンナ・カレーニナって昔読んだときは、若い男と不倫した人妻が、彼氏にふられたと勘違いしたあげく絶望して汽車に飛び込み自殺したという身も蓋もない話しだなって思っていた。
しかし、今回バレエを通してあらためて話しをおってみると、それぞれの葛藤があったり、思いもよらぬ不幸なすれ違いがあったりと深い印象をうける。同じ作品でも時間が経つと受け取り方が変わるというのはこのことだな。バレエ自体はかなり現代的な印象で、シンプルな舞台装置に複雑な振り付けというのは、はじめは難解な感じもしたけれど、身体のつかい方や指先まで神経をはりつめた動きはシンプルに感動する。
そしてなにより、このボリショイ劇場の豪華さは必見だ。1776年に建てられた劇場は2011年の改修工事によりオリジナルな劇場に回帰したといわれているのだが、巨大な外観やヒストリカルステージの天井にぶらさがる豪華なシャンデリア、優雅なインテリアはドレスコードがない劇場ではあるけれどカジュアル過ぎると浮いてしまう感じがする。僕はこのためにユニクロのジャケットを持ってきたがそれでぎりぎりな感じ(でも、応対はだいぶ違う気がした)。
クロークでは大きな荷物も預かってくれるので預けて身軽になっていた方がいいと思う。ラウンジは軽食とお酒を出してくれるのだがメニューがすべてロシア語だし、バーテンダーはだいたい英語話さないので、「水ください」とか「ウォッカください」とかカタコトのロシア語を覚えておいた方がいいと思う。
本場の劇場で世界最高峰のバレエをみられたことはすごく楽しかったし、今度は冬にオペラみに来たいなと思ってしまった。この豪華な劇場はなかに入るだけでも価値があると思う。
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