奈良の吉野とともにいつかは見てみたいと思っていた京都の桜。しかし、この年は見頃になるのがはやくて、市内の桜はすでに散りぎわという感じ。遅咲きだという仁和寺の桜を観に行こうと嵐電に乗り込んでいってみた。
仁和寺は桜の名所としても有名で、ソメイヨシノからしだれ桜まで様々な桜がさいている。なかでも西側には御室桜という背丈が低い遅咲きの八重桜が林のようになっていてこの桜ごしに眺める五重塔は春の京都という風景だ。
入口の門では「落花さかん」という貼り紙がしてあって、なんだかこの言葉の選び方もちょっと京都らしい。春の仁和寺は暖かくて光がまぶしく気持ちがいい。秋や冬、初夏にも来たことがあるが春は独特の風情があるな。
仁和寺にある御室桜はふるくからの和歌にも詠まれていて、一度はみてみたいと思っていたのだが、実際にみてみるとソメイヨシノよりも重量感あってコロッとした花の形などは遠目に見てもボリュームがあって美しい。満開の時期には桜の花の海のようになるのだろうな。
次々に落花していてその散りぎわをみているのも美しいと思うのだが、地面には落ちた花びらが敷きつめられていて、これはこれで絶景ではないかと思う。遅咲きなのに、さらに散りぎわに来てしまうなんてと思っていたのだが、この地面に落ちた花びらを実際に見られただけでも来てよかったなって思う。
春の仁和寺は御室桜以外にも色鮮やかな花が咲いていて、散歩しているだけでもハッとする美しさに出会うことができる。テレビや写真でみるだけではなく、実際に見に来るだけでもいいなって思う。
住所:京都府京都市右京区御室大内33
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