もし、チェンマイにやって来たのに、どこかひとつだけしか訪問するところしか時間がないという状況であれば、僕ならば迷わずワット チェディルアンに来ると思う。
チェンマイの旧市街のなかにあり、かつてここが都であった頃の中心となっている寺院。巨大な仏塔があるのだが、16世紀に起きた地震によって一部崩壊してしまっている。
若干修復がされているのだが、もともと仏塔の先がどのようなデザインであったのかが分からないため、尖塔は崩れたままになっている。よって、寺院としての機能はすぐ横にある、いかにもタイ風なお寺がになっている。
この寺院がもっとも好きなのは境内の雰囲気。暑い午後のひととき、木陰でだらだらと過ごしつつ、仏塔を眺めながら「あの仏塔の先ってどんなんだったのかなあ・・」とか考えている時間ってとても贅沢な気がする。どこかで誰かが鐘楼を鳴らす涼しげな音がきこえてくる。遠くの通りを走るトゥクトゥクの爆音も、なんだかここなら許せる気もする。
境内には犬が気持ちよさそうに無防備に昼寝をしていて、修行中の若い僧侶はそれをまたぐようにして歩いていたりする。
涅槃像があるのだが、その表情も涼しげで、少し褪せたよそおいがまた雰囲気があっていい。ワットポーの度を超えたきらきらとはまた違った趣がある。
日本の映画で「プール」という作品があるのだが、チェンマイが舞台になっていて、涅槃像をまえに、主人公達が「ワット チェディルアンがチェンマイで一番好きな場所だなあ」という台詞があるのだが、映画の内容自体は不思議なまったり具合だったが、この台詞はすごく印象に残っている。僕もここが一番好きだなあ。
※指摘がありまして、どうもこれは「プール」で使われたのとは違う場所みたいです。誤解しておりごめんなさい。でも、この場所が僕が一番好きな場所に変わりはないです。
チェンマイには寺院がたくさんあるけれど、数多くの寺院を巡るよりも、どこか自分の好きなところを決めてのんびりする方が、あとで旅を思い返したときに充実したものになるような気がする。
ワット チェディルアン(Wat Chedi Luang)
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