年末年始のブラジル旅
リオデジャネイロのファベーラに住んでいる友人から「たまには遊びに来なよ」っていわれて、そんな気軽に行けるようなところじゃないだろって思っていたのに、まさか本当に来てしまうなんて。
友人はエミレーツ航空がすごいらくちんと行っていたのだが、調べてみたところわりと高かったので、僕はルフトハンザのサイトから直接購入した。結果としては、ひさびさにヨーロッパの空気も感じることが出来て(1日も滞在してなかったのですごい不思議なんだけど)、充実した旅になったなって思う。
ブラジルは査証(VISA)が必要なので、五反田にあるブラジル領事館で申請するところから面倒くさかったが、日本のなかにある海外を感じるのは、それはそれで結構楽しい。査証を取得するにあたり銀行残高を提出させるところとか、いま経済が伸びている国だなって感じる。
フライトについては、成田からフランクフルトまでが約11時間だか12時間。そして、フランクフルトからリオデジャネイロまでが12時間。飛行機のっている時間だけで24時間以上かかる。カレンダー上では成田を午前中に出ると、翌日の午前中にはリオデジャネイロに到着するのだが、僕としてはフランクフルトで少しトランジット旅行して空港に向かう途中「これでまだあと12時間飛行機乗るのか」と絶望的な気分になった。なぜ俺はこのままフランクフルトを旅しちゃいけないんだろうかと。

フランクフルトでトランジット旅
でもまあ、そんなこんなで到着したブラジル。
あまりの疲労で馴染むのに時間はかかったけれど初めてやってきたブラジルは、僕にとっては地球の反対側なのだが、そんなにも遠くまできても人間の営みには変化はないし、僕が日本で夜中寝ているときに、このビーチには太陽が降り注いでいるのだなっていう当たり前の事象について実感することができたのは、旅の醍醐味なんだって思う。

カリオカ
「旅のルート作りは一番最初に最も遠くに行くこと」という僕のなかのルールによって、リオデジャネイロについたら一泊休んだだけで、そこからイグアスの滝を観に行くためにフォス・ド・イグアスへ向かった。最初はリオデジャネイロにずっといようかなって思っていたのだが、旅の結論としてはイグアスへ行ったのはブラジルの都市と田舎を両方体験できてすごく楽しい経験となった。

イグアスの滝。展望台の端までいくと、「悪魔ののど笛」と呼ばれるもっとも大きな滝がみえる
フォス・ド・イグアスの街中でみた夕陽は忘れないと思う。そして、イグアスで泊まったマリカさんの宿「マリカ ベッド&ブレックファスト」のことも忘れられないし、イグアスの滝まで送ってくれたドライバーの女の子のことも。僕が朝起きて仕事に向かう頃にあっちではそろそろ晩ごはん食べたり、寝る準備しているんだろうなっていうことを考えたりしている。

マリカ ベッド&ブレックファスト。裏庭にはプールもあるので時間があればのんびりするのもいい
そして圧倒的なイグアスの滝。ブラジル側からしか見なかったけれど、アルゼンチン側からも見ておけばよかったし、なによりフォス・ド・イグアスにもっと滞在すればよかった。僕は一泊しかしなかったけれど、もう一泊して街中を散歩したりアルゼンチン側にわたってみるのもよかったかもしれないなんて思っている。イグアスは滝だけじゃないなと。魅力が沢山ある街だ。

イグアスの街並み
リオデジャネイロについて。
リオデジャネイロといえば、ボサノヴァとビーチ、そしてスラム街とギャング、治安が悪いという印象。僕も行くまでは大丈夫かなって思っていたのだが、実際の所は治安が悪いのはごくごく一部なんじゃないかと。夜中はタクシーで移動することや、人気のないところへ入り込まなければ恐い思いはしないはず。

ボタフォゴ
なにより、リオデジャネイロのファベーラで知り合った人に僕がカンボジアとかよく行くって話をしたら「マジで!地雷があったり内戦してたりすげー危ないじゃん」といわれたことが印象的。
僕としてはリオデジャネイロの方が危ないよって思っていたのだが、実際は深夜25時にファベーラのなかを歩いていても大丈夫だったし、治安がやばいという印象はまったくもたなかった。
断片的な情報は人の不安を増幅させるのかもしれないなってことと、本当のところは来てみて自分で経験しないとわからないなってところ。

宿のあるバビロニアは最も治安のいいファベーラのひとつ
宿については年末年始とか特殊な状況でなければ、ボタフォゴあたりの宿に泊まった方が安くあがると思う。僕が泊まったイビスホテルは完全なビジネスホテルだけど、この街ではコストパフォーマンスに優れる宿だった。
しかし、年末年始でコパカバーナがカウントダウンパーティのために封鎖されるなんてときには多少高くてもコパカバーナに宿をとることをおすすめする。
僕が泊まったアウグストスホテルは多少古くて、こんな高いのかって思うけれど、それでも他の宿よりかはお得な方だと思う。また、多少坂道を登ることが苦でないならばファベーラにある宿に泊まるのも一考に値すると思う。コパカバーナの端っこのさらに山の上にあるバビロニアのエリアであればビーチまでも近いし、まわりにレストランやバーも多いのでヘンな立地のビジネスホテルに泊まるよりも便利だと思う。僕は年末年始にはバビロニアのベランダバーで過ごしたのだが、ここから見えたリオデジャネイロの景色は本当に美しかった。

ベランダ・バー
観光地としてのリオデジャネイロは世界遺産「リオデジャネイロ:山と海との間のカリオカの景観群」として登録されるほどの景勝地。コルコヴァードの丘、ポン・ヂ・アスーカル、コパカバーナビーチはまず外せないが、それ以外にも世界一派手な階段だと思うエスカダリア ド セラロンや、不時着した宇宙船のようなミッドセンチュリーのデザインっぽい雰囲気もあるニテロイ現代美術館やカテドラル・メトロポリターナをみるも楽しい。なにより年末年始のリオデジャネイロは真夏で20時過ぎまで明るいので、しっかりとめいっぱい1日を楽しめる。

美しき夕方のコパカバーナ

ポンデアスカール
そして、リオデジャネイロといえばボサノヴァ。この街の玄関口といえるガレオン国際空港が「アントニオ・カルロス・ジョビン国際空港」と名前を変えたように、この街がつくりだした音楽は世界を変えたと思う。
ヴィニシウス・ヂ・モライスの名前を冠したライブハウスで聴いたボサノヴァは感動すら通り越してなんだか不思議な気分だったし、Beco das Garrafas(ベコ・ダス・ガハーファス)で聴いたライブの迫力には圧倒された。

クラウディア・テレス(Cláudia Telles)のライブ

Beco das Garrafasで聴いたLiz Rosa
ここで聴いたLiz Rosaの曲がよかったなあと思ってホテルの部屋に戻って少し調べてみると楽曲がオンラインで買えてしまうという時代にもびっくりしたけれど。
そんなこんなで、リオデジャネイロはナイトライフが抜群に楽しい街だった。ひさびさに旅先で毎晩深夜まで遊んでしまったくらいだ。ここまで深酒したのはブータンのティンプー以来かもしれない。

リオ セナリウムで出会った店員さん

ラパ地区

イパネマ海岸
あまりの遠さになかなか来られるようなところではないブラジルだけど、南米の楽しさに目覚めてしまったなという感じ。また来てみたい場所が増えてしまった。
この旅の記録:年末年始ブラジル旅
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