2019年4月のベトナム旧正月明け、ゴールデンウィーク前くらいのタイミングでハノイへ旅行してきた。ベトナムは4月中旬に旧正月がありお店が一斉に休んだりホテルが取りづらくなったりする。その後、9月にかけて雨季となるのだが今回はその雨季のタイミングの直前に行ってきた。夕方にはスコールが降ったりして涼しくなるのがいい季節です。
エアラインはベトナム発のLCCであるベトジェットエアを利用。日本とベトナムの間にはベトナム航空も就航していて、これが結構安いのだけどベドジェットエアもまたセール期間には驚くほど安い金額が出てくる。しかし乗ってみてわかったが、このLCCは座席に相当難があり日本とベトナムの中距離飛行には結構しんどいものがある。乗る際には通路側、そしてある程度の疲労は覚悟した方がいい。
ハノイからGrabをつかって市内まで移動。泊まったのはホアンキエム湖に近くにあるハノイアンティークレジェンドホテルという小さなプチホテル。ハノイによくある中級クラスのホテルではあるけれど、フロントスタッフがすごく感じがよくていいホテルだった。朝食も美味しいし手頃な価格帯のなかでは立地も含めてかなり便利でよい。
初日はハノイ駅まで行って後日行くニンビン行きの列車チケットを予約したり、駅前にあるIbiero Craft Beer Stationというクラフトビール屋で飲んだあとQuan An Ngonでベトナム料理食べて、そのあとPho10で絶品のフォーボー(牛肉のフォー)を食べた。ベトナムに来たなあってしみじみ実感する。
夜のホアンキエム湖周辺は渋谷と新宿と京都の鴨川沿いがあわさったようなところになっていてすごく賑わっているし、デートしているカップルがいたりする。この賑わいに勢いみたいなのがあってとても楽しい。毎日、夜祭りをやっているみたいな感じだ。ホテルに戻るのがちょっと惜しいって思うくらいだった。
翌日はホテルでレンタルバイクを借りて郊外までの小旅行。ベトナムで原付バイク借りての運転は相当にハードル高いけれどすごく楽しい。ハノイの交通ラッシュにはかなり驚いたが、秩序あるなかで一定の走行をしていればわりと行けるものだな。日本ではまったくバイクを運転しないのだけど、ベトナムでのバイク運転に先になれてしまった気がする。
バイクで向かったのはハノイ郊外にあるドンラム村というところ。この場所はNHK BSの世界ネコ歩きで紹介された小さな村で村の入口には門があり、その先に小さな広場があってのどかな風景。集落の中心には教会があって村のあちこちから尖塔の十字架をみることができる。なんだか映画に出てきそうな風景だ。
ハノイまで戻ってきてホテルでシャワー浴びてさっぱりしたあと、Green Tangerineで遅めのランチを食べることにする。ベトナミーズフレンチのレストランとして有名なところなのだが、フレンチコロニアルな建物の雰囲気もいいし、ベトナムの食材をフレンチの解釈でだしてくれる料理もおしゃれ。ベトナム料理もいいけれど、こういう新しい解釈、独自進化をとげているフレンチというのもいいよなあ。
食後はホアンキエム湖を望むカフェオーコーでエッグコーヒーなるものを飲んでみたり、ベトナム発のクラフトチョコレートのお店であるMaison Marou Hanoiでお土産を買ったりして過ごす。Grabをつかってバイタクであちこちに細かく移動ができるので本当に便利だ。
夕方からはホアンキエム湖北側の旧市街を散歩。ドンキンギアトゥック広場のまわりは歩行者天国になっているのか人々が広場に繰り出してきていて夜祭りのようだ。パフォーマンスをしている人や道路に座って話し込んでいる人、ただぶらぶらしている人とか色んな人たちがいる。
こんなにものんびりと若い人だけではなく色んな人が夜の街をのんびりと散歩しているというシーンを日本じゃ見かけない気がする。日本だとどこかに移動するためにみんな早足だものな。本当に夜祭りのようで楽しくなってくる。
3日目はニンビンまでの日帰り小旅行。ハノイ駅からベトナム統一鉄道に乗り南下、列車で移動する。列車はのんびりとしたスピードで走っていて、ときとして横の道路を走るバイクに抜かれしまうくらいなのだが、そんな感じもまた旅情がある。
ニンビンに到着、がらんとした駅前の隅っこのカフェでたむろしていたバイクタクシーと交渉してチャンアンの世界遺産までの往復と帰りはバスターミナルまで送ってもらうことにする。
チャンアンはカルスト地形が作り出す幻想的な風景が特徴で「陸のハロン湾」と呼ばれている。ちなみに、ハロン湾は「海の桂林」と呼ばれており、そうなると「桂林とチャンアンは同じ」ということになるのではないかとも思ってしまうわけだけど。桂林にも行ったことはあるけれど、やっぱりチャンアンはのんびりしているし、鬱蒼とした緑の濃さとかが幻想的だよなあって思う。
ハノイまで戻ってきてPho Thinで食事をしていたらスコールが降りそうな天候になってきたのであわててホテルへと戻る。Grabでバイクタクシーつかまえての移動が本当に楽だな。いままで感じていたベトナム旅行のストレスみたいなものから解放される感じがする。
スコールがあがったので夜の街にでてソイイエンで夕食を食べたりコンカフェのテラス席に座ってハノイの街並みを眺めて、こんなカオスな交通状態でよく事故が起きないよなって眺めていたりする。このコンカフェから眺めるハノイの旧市街は旅を感じられてよかったなあ。
最終日は早朝にホアンキエム湖を散歩してホテルもどってのんびり荷造りしたあと、午後はハノイの街中をのんびりと散歩していた。前回の旅で偽物レストランへ行ってしまったチャーカーラボンの本物のお店にようやく行くことができたし、ハノイ名物のブンチャーをだす人気店「ブンチャーダックキム」でボリューム満点のブンチャーを食べることもできた。
ハノイのクラフトビールについては最終日に訪れたパスツール ストリート ブリューイング(Pasteur Street Brewing Company)がもっとも印象に残るブリュワリーだったなあ。ベトナム産の素材を利用したビールはどれも特徴があって、シグネチャーであるJasmine IPAは花の香りが口から鼻に抜ける感じがあってお茶を飲んでいるみたいな感じだし、評価が高いPassion Fruit Wheat Aleはパッションフルーツを使ったビールなのだけど、フルーツが前面に出てくるわけではなく、しかしちょっとした酸味や後味でしっかり主張があって、それがこのベトナムの熱気で飲むのにちょうどあっている。雰囲気もよくていいところだった(ハノイでまわったクラフトビールのお店はこちら:ハノイのクラフトビールめぐり)。
そして、旧市街の観光地から少し外れたところにあるthe little plan cafeは古いフレンチコロニアルの住宅をリノベーションした路地裏カフェで台南にある窄門咖啡を思い出させる雰囲気。ただ、the little plan cafeにはロフトつきな高い天井によって熱気が逃げていたり、色づかいやインテリアにフレンチコロニアルな雰囲気が感じられたりして、ここはこのよさがある。すごく静かでのんびりしているところもよい。ゆったりしたハノイの時間を過ごすことができる。ハノイという街はこんな風に路地裏を散歩して雰囲気のいいビアバーで昼から飲んだり、カフェでまどろんだりという旅の楽しみがあるのがいいところだ(ハノイ路地裏散歩のすすめ)。
前回の旅行はトランジットで訪れたので慌ただしかったが、今回しっかりと街歩きしたりのんびりとした滞在が出来て楽しかったなあ。ベトナムを目的とした旅はひさびさだったけれどタイやカンボジア、ラオスとも違う雰囲気。しっとりとしていて美しい、そしてなにを食べても美味しい。いいところだった。
この旅の記録:ひさびさハノイ旅
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