もうだいぶ古い話だけど、ブログとは個人の旅行の記録なので残しておくことにする。9月は上旬に福岡旅行、中旬に台南に行き、そして下旬ぎりぎりのタイミングで中之条ビエンナーレの開催期間に間に合って2年ぶりの中之条への旅。
もう何度も来ているのだが新しい発見があり、そして色んなアートイベントあるけれど、中之条ビエンナーレの手作り感ある雰囲気がとても好きだ。
まずは東京からもっとも遠い中之条の六合エリアから旅をはじめる。このあたりはかなり山深い。とくに、アートが展示されている赤岩地区は山と同居しているような閉ざされた世界という雰囲気がある。六合の集落も国道から大きな橋を渡って川の反対側へ行ったところにあるのだが、この橋がないと相当行くのに苦労しそうな場所だ。実際、むかしは高野長英が逃れてきてここに隠れていたこともあるみたいだ。交通機関もない時代によくここまでたどり着けたなって思ってしまう。
集落の入口あたりにある公民館兼公衆浴場の駐車場に車をとめて、集落のなかに点在する作品をみてまわる。秋も本格的な空気で蕎麦の花がきれいだったなあ。
このあたりはふるくは養蚕が盛んだったこともあり、蚕をモチーフにした作品が多いのだが、そんななかで今回「湯本家」にあった「空」という作品はすごく美しいもので印象に残った。
蔵の中に鹿のようなものが立体的に配置されていて、それがいくつかのパターンとなっている。外には空に向かうように完全体の鹿のオブジェが置いてある。最初はこれみて、立体的なアバクロのロゴみたいだなとか思っていたのだが、見に行った日の秋の空もふくめて不思議な立体感があり、蔵の中の展示とあわせてみると、いろんな意味を考えてしまう。
六合という日本の集落の中でも閉ざされた世界のひとつの古い家で眺める風景は原始の世界まで思いを馳せてしまうようなもので、自然のもっている強さを感じる作品が多かった。
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